Mrs. GREEN APPLEの「Really Really」は、一見すると軽やかでポップな雰囲気を持ちながら、その内側には「本当は楽しくないのに、楽しいふりをしてしまう自分」という複雑な感情が描かれている曲だと考えられます。
周りに合わせて笑ったり、「楽しい」と振る舞ったりすることは、決して珍しいことではありません。
しかし、表面上は楽しそうにしていても、心の中では「本当はそんなに楽しくない」「何か違う」と感じていることがあります。
「Really Really」は、そんな心のズレをテーマにしながら、それでも誰かとつながっていたいという気持ちを描いた楽曲ではないでしょうか。
タイトルの「Really Really」も、「本当に?」という問いかけのように受け取れます。
「本当に楽しいの?」「本当の本当はどう思っているの?」
そんなふうに、自分自身の心に問いかけているようにも感じられます。
「Really Really」の歌詞が伝えていること
「Really Really」の大きなテーマは、「本音と建前の間で揺れる心」ではないでしょうか。
私たちは日常生活の中で、いつでも自分の本音をそのまま口にできるわけではありません。
その場の空気を壊さないために笑ったり、相手を心配させないために「大丈夫」と言ったりすることもあります。
「Really Really」の主人公も、そうした「自分を演じること」に慣れてしまった人物として捉えることができます。
楽しいふりをしてしまう自分
曲の中では、「楽しい」という表面的な感情と、その裏側にある「本当は楽しくない」という感情が対比されているように感じられます。
これは単純に「毎日がつまらない」という話ではありません。
むしろ、本当は楽しい部分もあるのに、心のどこかに満たされないものが残っている状態なのではないでしょうか。
周囲が盛り上がっていれば、自分も笑う。
みんなが楽しそうなら、自分も楽しそうにする。
そんな日常の中で、ふと「自分は本当に楽しいのだろうか?」と疑問を抱いてしまう。
この感覚は、多くの人が一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
「本当の自分」が分からなくなる
さらに苦しいのは、演技を続けているうちに、自分自身でも本当の気持ちが分からなくなってしまうことです。
最初は「無理して笑っている」と分かっていたとしても、それが当たり前になればなるほど、本音と演技の境界が曖昧になっていきます。
「楽しいと思わなければいけない」
「もっと明るくしなければいけない」
そんな気持ちが強くなるほど、自分の本当の感情を置き去りにしてしまいます。
「Really Really」は、そんな自分自身への違和感を言葉にした曲とも考えられます。
「Really Really」というタイトルの意味
この曲を考察するうえで重要なのが、やはり「Really Really」というタイトルです。
「Really」は「本当に」という意味。
それを2回繰り返すことで、「本当に、本当に?」という強い問いかけのニュアンスが生まれます。
「本当に楽しい?」という問い
例えば、誰かから「楽しいね」と言われたとします。
普通なら「うん、楽しい」と答えるかもしれません。
しかし心の中では、
「本当に?」
と、自分自身に問い返している。
そんな場面を想像すると、このタイトルの意味がより深く感じられます。
「楽しい」という言葉をそのまま受け入れるのではなく、その奥にある本当の感情を探しているのです。
自分自身への問いかけ
「Really Really」は、他人に向けた言葉だけではなく、自分自身に向けた言葉とも考えられます。
「自分は本当にこれでいいの?」
「本当は何をしたいの?」
「本当は誰といたいの?」
そうやって何度も自分の心に問いかける。
その繰り返しこそが、「Really Really」というタイトルにつながっているのではないでしょうか。
「楽しい」と「楽しくない」は両立する
この曲を「楽しくない人の歌」とだけ捉えると、少し違った印象になります。
むしろ「Really Really」が描いているのは、楽しいのに楽しくない、誰かといたいのに一人になりたいという矛盾した感情なのだと思います。
人間の感情は一つではない
例えば友達と遊んでいて、その瞬間は確かに楽しい。
でも家に帰った途端、急に疲れを感じることがあります。
あるいは、大勢の人と一緒にいるのに、なぜか孤独を感じることもあります。
「Really Really」は、そんな一見すると矛盾している感情を否定していません。
「楽しいなら、ずっと楽しいはず」
「好きなら、嫌いになるはずがない」
という単純な考え方ではなく、人間の心にはさまざまな感情が同時に存在することを描いているように感じます。
無理に答えを出さなくてもいい
だからこそ、この曲には「こう考えれば幸せになれる」という明確な答えが提示されているわけではありません。
「楽しくない」と感じたからといって、すべてを捨てればいいわけでもありません。
誰かと一緒にいたいと思う気持ちも、自分一人になりたいと思う気持ちも、どちらも本物。
その矛盾を抱えたまま生きていくことも、人間らしさなのではないでしょうか。
「本音を言えない」ことが生み出す孤独

「Really Really」には、単なる「自分探し」だけではなく、他人とのつながりに対する葛藤も感じられます。
本当は誰かに分かってほしい。
でも、自分から本音を話すことは怖い。
この矛盾が、主人公を孤独にしているように思えます。
「分かってほしい」と「分かられたくない」
人には、「自分のことを理解してほしい」という気持ちがあります。
しかし同時に、深く踏み込まれると怖くなることもあります。
弱いところを見られたくない。
面倒な人だと思われたくない。
嫌われたくない。
だから、本音を隠して笑ってしまう。
「Really Really」で描かれているのは、そんな人間の弱さなのではないでしょうか。
笑顔が必ずしも幸せとは限らない
笑っているから幸せ。
明るく振る舞っているから悩みがない。
もちろん、そんな単純なものではありません。
むしろ、明るく振る舞える人ほど、自分の弱さを隠している場合もあります。
この曲では、「笑顔」という表面的な部分だけでは分からない心の内側にスポットライトを当てているように感じられます。
「Really Really」は孤独を歌った曲なのか

ここまで考えると、この曲は孤独について歌った曲とも考えられます。
ただし、完全に一人になりたいという孤独ではありません。
誰かとつながりたいのに、うまくつながれない孤独です。
本当は誰かに気づいてほしい
自分から「助けて」と言うことはできない。
でも、誰かには気づいてほしい。
「大丈夫?」と聞かれたら、「大丈夫」と答えてしまう。
そんな状態でも、本当は心のどこかで「大丈夫じゃないことに気づいてほしい」と思っている。
この感情は、とても人間らしいものです。
「Really Really」は、その言葉にできない気持ちをポップな音楽の中に閉じ込めた曲として聴くこともできます。
2018年から2026年へ
「Really Really」のもう一つ興味深いポイントが、楽曲が長い時間を経て正式音源化されたことです。
この曲は2018年9月8日のライブで披露されていた楽曲で、2026年9月29日に配信開始されたアルバム『POPS』に収録されました。
約8年という時間を経て、ようやく正式な音源として届けられたことになります。
もちろん、楽曲の歌詞と正式音源化の時期を直接結びつける公式な意味づけがあるわけではありません。
それでも、「すぐには答えが出ない感情」を歌っている曲が、長い時間を経て世に出たという事実には、不思議な重なりを感じます。
時間が経っても消えない感情
人間の悩みや葛藤は、必ずしもその日のうちに解決するものではありません。
何年経っても、自分の中に残り続ける感情があります。
「本当はどうしたいんだろう」
「このままでいいのかな」
そんな問いを抱えながら生きている人も少なくありません。
だからこそ、2018年に生まれたこの曲が2026年に正式音源化されたことで、今聴いても古さを感じないのではないでしょうか。
「Really Really」が伝えたいこと

ここまで歌詞を考察してきましたが、私はこの曲が伝えているのは、「無理に本当の自分を一つに決めなくてもいい」ということなのではないかと考えます。
楽しい自分も本当。
楽しくない自分も本当。
誰かと一緒にいたい自分も本当。
一人になりたい自分も本当。
明るく振る舞う自分も、本音を隠してしまう自分も、すべて自分の一部です。
「本当の自分」は一つではない
「本当の自分」という言葉を聞くと、どこかに唯一の答えがあるように感じます。
しかし実際の人間は、そんなに単純ではありません。
状況によって感情は変わります。
昨日は楽しかったことが、今日は面倒に感じることもある。
大好きだったものに興味がなくなることもある。
逆に、嫌いだと思っていたものを好きになることもあります。
その変化そのものが、人間らしさなのかもしれません。
「本当に?」と問い続けること
「Really Really」という言葉は、答えを出すための言葉ではなく、自分の気持ちを確かめ続けるための言葉なのではないでしょうか。
「本当に楽しい?」
「本当にこれでいい?」
「本当に自分はこう思っている?」
そうやって自分自身に問いかけることで、初めて気づける感情があります。
だからこの曲は、無理にポジティブになることを求めているのではなく、自分の本音から目をそらさないことの大切さを歌っているように感じます。
まとめ

Mrs. GREEN APPLEの「Really Really」は、表面的な「楽しさ」の裏側にある、本音と建前のズレを描いた楽曲だと考察できます。
「楽しいふり」をしている自分に気づきながらも、完全に誰かとのつながりを捨てたいわけではない。
むしろ、本当は誰かに理解してほしい。
でも、自分から本音をさらけ出すことは怖い。
そんな複雑な感情が、「Really Really」というタイトルにも込められているように思います。
特に印象的なのは、「本当の自分」を明るい自分か暗い自分のどちらかに決めていないところです。
楽しい気持ちも、楽しくない気持ちも、誰かといたい気持ちも、一人になりたい気持ちも、すべて自分の中に存在している。
だからこそ「Really Really」は、単純な前向きソングでも、暗いだけの楽曲でもありません。
「本当はどうなんだろう?」と自分の心に問いかけながら、それでも毎日を生きていく。
そんな人間らしい葛藤を、Mrs. GREEN APPLEらしいポップさの中に描いた楽曲なのではないでしょうか。
歌詞の出典元
Mrs. GREEN APPLE「Really Really」
収録アルバム:『POPS』
作詞・作曲:大森元貴
配信開始:2026年9月29日
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