Vaundyの「しわあわせ」は、2021年4月11日に配信リリースされた楽曲です。
専門学校 首都医校・大阪医専・名古屋医専の2021年度TVCMソングなどにも起用されました。Vaundy自身が作詞・作曲を手掛けています。
タイトルを見て、最初に気になるのが「しわあわせ」という言葉です。
「幸せ」を連想させる一方で、そこには「しわ」という言葉が含まれています。
しわは、年齢を重ねれば自然に増えていくもの。
つまり「しわあわせ」とは、単なる「幸せ」の言葉遊びではなく、二人が一緒に時間を重ね、年齢を重ね、その過程で生まれた思い出や経験までも大切にすることなのではないでしょうか。
この曲では、時間が永遠ではないことも描かれています。
それでも、限られた時間の中で誰かとつながり、笑い、手を握り、同じ時間を過ごしていく。
その積み重ねこそが、二人にとっての「しわあわせ」なのだと考えられます。
「しわあわせ」のタイトルに込められた意味
まずは、この曲を理解するうえで重要な「しわあわせ」というタイトルについて考えてみます。
「しわ」と「幸せ」を重ねたようにも見える、この独特な言葉には、時間と愛情を一緒に表現する意味が込められているように感じます。
「しわ」は二人が過ごした時間の証
年齢を重ねると、顔や手などに少しずつしわが増えていきます。
一般的には「老い」の象徴として捉えられることもあるでしょう。
しかし、この曲では、そのしわを否定的には扱っていません。
むしろ、誰かと一緒に笑い、悩み、泣き、同じ時間を過ごしたからこそ刻まれるものとして捉えているように思えます。
二人の間に生まれた思い出や経験は、目には見えなくても確実に残っていく。
その積み重ねを「しわ」と表現したのではないでしょうか。
だから「しわあわせ」は、二人で時間を重ねることそのものが幸せになるという意味にも受け取れます。
1番Aメロ「僕」と「君」の価値観
曲の冒頭では、「僕」と「君」の心臓が登場します。
ここには、二人の存在そのものを比較するような表現があります。
「400円の心臓」と「綺麗な心臓」
「僕」の心臓を非常に安いものとして表現する一方で、「君」の心臓は綺麗なものとして描いています。
ここから感じられるのは、「僕」による自己評価の低さです。
「君は素晴らしいのに、自分はたいしたことがない」。
そんな少し自虐的な気持ちが含まれているようにも思えます。
しかし、重要なのは、その二つの心臓を「合わせる」という発想です。
一人だけでは価値が決まらない。
違う二人が一緒になることで、新しい価値が生まれる。
そこに続く「未来の価値」という考え方が、この曲の核心につながっています。
「しわの数」が未来の価値になる
二人が一緒に過ごせば、楽しいことばかりではありません。
意見が合わないこともあれば、傷つくこともあるでしょう。
それでも、そうした時間をすべて重ねた結果として「しわ」が生まれる。
つまり、完璧ではない二人だからこそ積み重ねられる時間に価値があるのではないでしょうか。
若い頃の美しさや理想的な関係だけを価値とするのではなく、時間を重ねたからこそ生まれる変化まで肯定しているところが、この曲の優しい部分だと思います。
1番Bメロ「残された時間」が意味するもの
続く部分では、時間が限られていることが強調されます。
「残された時間が少ない」という感覚は、人生そのものを指しているようにも、二人が一緒にいられる時間を指しているようにも解釈できます。
「零さないようにあわせて」という願い
時間は、どれだけ大切にしようとしても止めることができません。
楽しかった一日も、何気ない会話も、気づけば過去になっていきます。
だからこそ「零さないようにあわせて」という言葉には、二人で過ごす時間を一つひとつ大切にしていこうという思いが感じられます。
何か特別なことをする必要はない。
一緒にいる。
相手に歩み寄る。
そして、今この瞬間を大切にする。
そんなシンプルな姿勢が表現されているのではないでしょうか。
「握っている手」はつながりの象徴
その後に描かれる「握っている手」や「繋いでる手」は、二人の関係を非常に分かりやすく象徴しています。
人間関係は、時間が経つにつれて変化していきます。
環境が変わったり、距離が離れたり、考え方が変わったりすることもあるでしょう。
それでも「ちぎらない」という意志を持っている。
ここには、関係を維持するのは偶然ではなく、お互いの意志でもあるというメッセージが感じられます。
2番Aメロ「心拍」と「一拍」が意味するもの
2番では、1番の「心臓」と似たモチーフとして「心拍」が登場します。
ここでも、二人の存在を一つに重ね合わせるような表現が使われています。
二人のリズムが重なって「波」になる
人間の心臓は、一生の間ずっと動き続けています。
その「僕」の心拍と、「君」の一拍を合わせる。
すると、二人の間に「波」が生まれる。
これは、恋愛や人間関係そのものを表しているように思えます。
人と人が一緒に生きれば、いつも同じリズムになるわけではありません。
近づいたり、離れたり、喜んだり、悲しんだりする。
その揺れそのものが、二人の関係なのではないでしょうか。
だから「揺らめきあって」という表現も、関係が不安定だから悪いという意味ではなく、互いに影響を与えながら生きている証拠として描かれているように感じます。
2番Bメロ「隙間」が表すもの

2番では、時間の速さや二人の間にある「隙間」が描かれます。
ここには、1番よりもさらに切なさが増しています。
埋まらない時間も二人の一部になる
人と人の間には、どうしても埋まらない部分があります。
すべてを理解することはできませんし、すべての時間を共有することもできません。
だからこそ「隙間」が生まれる。
その隙間を悲しく感じるからこそ、二人はまた「合わせよう」とするのです。
ここで重要なのは、最初から完璧に重なっている二人ではないということ。
違う二人だからこそ、何度も合わせようとする。
その繰り返しによって関係が深まっていくのだと思います。
サビ「しわあわせ」に込められた愛

そして、この曲のタイトルにもなっている「しわあわせ」が登場します。
ここでは、曲全体のテーマが非常にシンプルな形で示されています。
「君と笑う」ことが幸せ
この曲の魅力は、壮大な愛の言葉ではなく、日常の小さな幸せを描いているところです。
誰かと一緒に笑う。
それだけのことが、人生において大きな意味を持つ。
高価なものを手に入れることでも、特別な場所へ行くことでもありません。
好きな人と同じ時間を過ごし、一緒に笑う。
その何気ない日常が、後になってかけがえのない思い出になっていくのです。
「老いていく」ことを肯定している
普通なら「老いる」という言葉には、失うものというイメージがつきまといます。
しかし、この曲では「一緒に老いていく」ことが否定されていません。
むしろ、一緒に年齢を重ねられること自体が幸せなのです。
若い頃の二人だけが価値を持つのではなく、年齢を重ね、しわが増えた二人にも価値がある。
そのしわの一つひとつには、二人が一緒に生きてきた時間が刻まれているからです。
ラストのコーラスに込められた切なさ
「しわあわせ」が単なる幸福なラブソングではないことを強く感じさせるのが、終盤のコーラスです。
ここでは、積み重なった日々がいつか記憶から薄れていく可能性が描かれています。
どれだけ大切な思い出も忘れてしまう
人は、すべての記憶を永遠に鮮明なまま残すことはできません。
昨日の出来事ですら思い出せなくなることがあります。
まして、何十年という時間を生きれば、今は大切だと思っている出来事さえ、いつか記憶の奥へと消えていくかもしれません。
この部分には、そんな「時間の残酷さ」が感じられます。
しかし、それは「だから意味がない」という話ではありません。
忘れてしまうとしても、その時間を一緒に過ごした事実まで消えるわけではないのです。
忘れても「しわ」は残っていく
ここが「しわあわせ」というタイトルとつながります。
思い出せなくなったとしても、二人が過ごした時間は、その人の人生に何らかの形で残っています。
それが「しわ」なのではないでしょうか。
顔に刻まれるしわと同じように、人生にも時間の跡が刻まれていく。
だから、忘れてしまうことさえも含めて人生なのだと、この曲は語っているように感じます。
最後の「また、しわをあわせて」が意味するもの

曲の最後には、もう一度「しわをあわせて」という願いが登場します。
ここには、この曲の答えが凝縮されているのではないでしょうか。
未来がどうなるか分からなくても、一緒に進む
人生には、別れもあります。
環境が変わり、今までの関係が変化することもあります。
だから「永遠に絶対変わらない」と約束することよりも、変化していく中で何度も相手と向き合うことのほうが大切なのかもしれません。
一度合わせたら終わりではなく、また合わせる。
離れそうになったら、また近づく。
時間が経ったら、また新しい「しわ」を重ねる。
そんな繰り返しこそが、人と人とのつながりなのだと思います。
「しわあわせ」は恋愛だけではない?

「僕」と「君」という構図から考えると、もちろん恋愛ソングとして受け取ることができます。
ただ、この曲は恋人だけに限定されるものではないようにも感じます。
家族や友人にも当てはまる「しわあわせ」
親子、夫婦、友人、仲間など、人生の中で大切な人はたくさんいます。
その人たちとの関係にも、楽しい時間だけではなく、すれ違いや距離が生まれる瞬間があります。
それでも、共に過ごした時間は、その人の人生に残っていく。
そう考えると「しわあわせ」は、人と人が出会い、影響を与え合いながら時間を重ねていくことそのものを歌った曲とも解釈できます。
Vaundy「しわあわせ」の歌詞が伝えるメッセージ

「しわあわせ」の歌詞を通して感じるのは、永遠を約束することではなく、限りある時間を一緒に生きることの尊さです。
時間は止まりません。
大切な思い出も、いつか忘れてしまうかもしれません。
人間関係も、ずっと同じ形ではいられないでしょう。
それでも、誰かと一緒に笑った時間や、手を握った瞬間、互いに歩み寄った経験は、自分の人生に残っていきます。
だから「しわ」は老いの象徴ではなく、愛や人生を重ねた証になる。
「しわあわせ」という言葉には、
一緒に過ごした時間が増えるほど、二人だけの価値が生まれていく。
そんな優しいメッセージが込められているように思います。
そして最後に「また、しわをあわせて」と歌うことで、幸せは一度完成するものではなく、これからも何度でも作っていくものだと伝えているのではないでしょうか。
Vaundyの「しわあわせ」は、恋人との関係だけでなく、家族や友人など、自分にとって大切な人との時間を改めて考えさせてくれる一曲です。
今、隣にいる人と過ごす何気ない時間も、いつか振り返れば人生に刻まれた大切な「しわ」になる。
そう考えながら聴くと、この曲の温かさと切なさが、より深く感じられるのではないでしょうか。
歌詞の出典元
・曲名:『しわあわせ』
・アーティスト:Vaundy
・作詞:Vaundy
・作曲:Vaundy
・配信リリース:2021年4月11日
歌詞の確認・引用元:UtaTen「しわあわせ 歌詞 Vaundy」
楽曲情報:Vaundy公式サイト「DISCOGRAPHY」
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