幾田りらさんの「スパークル」は、2022年1月17日にリリースされた楽曲です。
ABEMAの恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。蜜柑編』の主題歌として書き下ろされ、その後『今日、好きになりました。卒業編2022』の主題歌にも起用されました。
「スパークル」というタイトルには、「きらめき」「輝き」という意味があります。
しかし、この曲で描かれる恋は、永遠に続く幸せな恋だけではありません。
むしろ、片思いの中で感じるときめきや不安、叶わないかもしれない切なさを抱えながら、それでも「好き」という気持ちを大切にしようとする恋が描かれています。
幾田りらさん自身も、「スパークル」について、片思いの一瞬のきらめきをつかもうと揺れる恋心や、たとえ恋が破れて傷ついても、振り返ったときに「好きになれてよかった」と思えたらという願いを込めたと語っています。
今回は、そんな「スパークル」の歌詞に込められた意味を、曲全体のテーマから各場面まで詳しく考察していきます。
幾田りら「スパークル」の歌詞が描く恋とは?

「スパークル」を読み解くうえで重要なのは、「恋が成就すること」だけを幸せとして描いていない点です。
片思いには、好きな人を見ているだけで幸せになる瞬間がある一方、「この気持ちは届かないかもしれない」という苦しさもあります。
この曲は、その両方を否定せずに描いています。
タイトル「スパークル」が意味するもの
「スパークル」とは、英語で「きらめく」「輝く」といった意味を持つ言葉です。
恋をしていると、好きな人と目が合った瞬間、少し会話ができた瞬間、一緒にいられた瞬間など、ほんの短い時間であっても特別なものに感じられることがあります。
その瞬間は、永遠に続くわけではありません。
だからこそ、その一瞬が強烈に輝く。
「スパークル」というタイトルには、まさにそんな恋の性質が込められているのではないでしょうか。
「一瞬だからこそ美しい」という恋の描写
この曲では、恋が「きらめいて、そして消えていくもの」として描かれています。
一見すると、とても切ない表現です。
しかし、そこには単なる悲しさだけではありません。
花火や流れ星のように、一瞬で消えてしまうものだからこそ、人はその姿を強く記憶します。
恋も同じです。
たとえ短い期間だったとしても、誰かを本気で好きになった経験は、その人の心に残り続けます。
「スパークル」は、そんな一瞬の恋を「儚いから価値がない」のではなく、「儚いからこそ美しい」と捉えている楽曲だと考えられます。
「煌めいて消えてった」に込められた切なさ

この曲の印象的なポイントの一つが、恋の輝きと消えてしまう未来が同時に描かれていることです。
好きな人を見ている時間は輝いている。
けれど、その時間には終わりがある。
そのことを主人公はどこかで理解しています。
「始めから決まっていた」という運命への諦め
曲の前半では、恋の結末が最初から決まっていたかのような感覚が描かれています。
これは、「どうせ叶わない」と完全に諦めているわけではないでしょう。
むしろ、心のどこかでは分かっているのに、それでも好きになってしまったという感情です。
恋をすると、頭では「やめたほうがいい」と分かっていても、簡単には気持ちを止められません。
「好きにならないようにしよう」と思えば思うほど、相手の存在が気になってしまうこともあります。
ここには、恋をしてしまった人なら共感できる矛盾した感情が表現されています。
「それでも」という言葉が表す気持ち
特に重要なのが、「それでも」という感情です。
恋の結末が見えている。
叶わないかもしれない。
傷つくかもしれない。
それでも、好きな人を見れば愛おしいと思ってしまう。
つまり、理性ではなく感情が勝っているのです。
この「それでも」という気持ちこそ、「スパークル」における片思いの核心なのではないでしょうか。
「二文字」に込められた「好き」という気持ち

曲の中では、心の中に浮かぶ「二文字」が描かれています。
ここで想像できるのが「好き」という言葉です。
たった二文字なのに、口にするのはとても難しい。
言葉にできない片思い
「好き」という言葉は、文字にすればたった二文字です。
しかし、実際に本人を目の前にすると、その二文字が言えなくなる。
「好き」と伝えたら関係が変わってしまうかもしれない。
今までの距離感が壊れてしまうかもしれない。
そんな怖さがあるからこそ、主人公は自分の気持ちを心の中にしまっています。
これは、片思い特有の臆病さを表していると考えられます。
「伝えない」のではなく「伝えられない」
ここが、この曲の切なさを深くしているポイントです。
主人公は「好きではない」わけではありません。
むしろ、好きという気持ちはどんどん大きくなっている。
それなのに、その気持ちを声にすることができない。
だからこそ、頭の中では何度も「好き」という言葉が繰り返されているように感じられます。
声に出せない分だけ、心の中では強くなっていく。
そんな片思いの苦しさが表現されているのではないでしょうか。
「夜空を走り去る星」が表す恋

中盤からは、恋が夜空を走り去る星のようなイメージへと広がっていきます。
ここで登場する「星」は、タイトルの「スパークル」とも深くつながっています。
流れ星のように一瞬で輝く恋
夜空を流れる星は、一瞬だけ強く輝いて消えていきます。
主人公が経験している恋も、それと同じなのかもしれません。
好きな人と過ごせる時間は限られている。
だからこそ、その時間を少しでも長く心に残したい。
一瞬一瞬を大切にしたい。
そんな思いが、「流れ星」という大きなイメージによって表現されているように感じます。
「瞬きも惜しいほど」という表現
好きな人を見ていると、時間が早く感じられることがあります。
「もっと見ていたい」
「この時間が終わってほしくない」
そんな思いが強くなるほど、一瞬さえ惜しくなる。
まばたきをすれば、その瞬間だけ相手を見ることができなくなる。
だから、一瞬でも長く見ていたい。
これは単なる恋愛感情だけではなく、「今、この瞬間を失いたくない」という記憶への執着にもつながっています。
「きっといつかどこかへ行くのでしょう?」の意味

この問いかけには、恋の終わりを予感する主人公の心情が表れています。
好きな人との時間が永遠ではないことを、主人公は理解しているのでしょう。
別れを予感しているからこそ今を大切にする
「いつかどこかへ行ってしまう」。
これは、恋が終わることを意味しているとも考えられます。
しかし、この曲では「だから諦めよう」とはなりません。
むしろ逆です。
いつか終わってしまうかもしれないから、今この瞬間を大切にする。
その考え方が、「スパークル」の大きな特徴です。
未来を変えられないとしても、今感じている幸せまで否定する必要はありません。
疑問形になっていることも重要
この部分が断定ではなく問いかけになっていることも印象的です。
「きっとそうなる」と決めつけてしまえば、恋を諦めることができます。
しかし、主人公はまだ諦め切れていない。
もしかしたら、この先に何かが変わるかもしれない。
そんな小さな希望も残っているのではないでしょうか。
だからこそ、切なさの中にも未来への余白があります。
「君が好き」だけは嘘のない気持ち

曲の後半になると、主人公の気持ちはさらに明確になっていきます。
それまで迷いや不安に揺れていた主人公が、最終的には「好き」という気持ちそのものを肯定していくのです。
曖昧さや怖さを抱えたまま進む
片思いには、「自分はどう思われているのだろう」という曖昧さがあります。
相手の気持ちが分からない。
この先どうなるかも分からない。
だから怖い。
それでも、その曖昧さや怖さから逃げずに抱えているのが、この曲の主人公です。
恋をすると、嬉しいことだけではありません。
不安になったり、嫉妬したり、落ち込んだりすることもあります。
「スパークル」は、そうしたネガティブな感情も含めて「恋」だと受け止めています。
「好き」という気持ちだけは揺らがない
周囲の状況が変わっても、自分の気持ちだけは嘘をつけない。
「好き」という感情は、理屈では説明できません。
だからこそ、報われるかどうかとは別に、「好きになった」という事実そのものに価値があるのです。
ここで曲のテーマは、「恋が叶うか」から「恋をした自分をどう受け入れるか」へと変化していきます。
苦しさも愛しさも「君からもらったもの」

後半で特に印象的なのが、恋によって生まれた苦しさまで肯定しているところです。
普通なら、失恋や片思いの苦しさは「できれば経験したくなかったもの」と考えてしまうでしょう。
しかし主人公は違います。
苦しいからこそ本気だった
好きな人のことで悩んだり、眠れなくなったり、相手の一言に一喜一憂したりする。
それは、相手を本気で好きだった証拠でもあります。
だから、苦しさそのものを否定するのではなく、「この感情を経験できてよかった」と考える。
これは失恋を乗り越えるための、とても前向きな考え方です。
恋の結果ではなく「恋をした意味」を残す
この曲が最終的に肯定しているのは、「付き合えた」という結果ではありません。
むしろ、「誰かを本気で好きになれた」という経験そのものです。
恋が終わってしまったとしても、好きだった時間まで消えるわけではありません。
相手を思った時間。
一緒に笑った時間。
目が合って嬉しかった瞬間。
言えなかった「好き」。
そうしたすべてが、自分の中に残っていきます。
だからこそ、「恋をした意味」があるのではないでしょうか。
「スパークル」が伝える本当のメッセージ

ここまで歌詞を読み解いてみると、「スパークル」は単なる失恋ソングではないことが分かります。
この曲が伝えているのは、「叶わなかった恋にも価値がある」というメッセージなのではないでしょうか。
報われなくても恋は無駄にならない
恋愛では、どうしても「付き合えたか」「振られたか」という結果に目が向きます。
しかし、「スパークル」は結果だけで恋の価値を決めていません。
たとえ相手と結ばれなかったとしても、その人を好きだった気持ちは本物です。
だから、その恋を「失敗」として終わらせる必要はない。
これは、片思いをしている人にとって大きな救いになる考え方です。
「好きになれてよかった」という未来
幾田りらさん自身も、この曲には、恋が破れて傷ついたとしても、振り返ったときに「好きになれてよかった」と思えたらという願いを込めたと語っています。
この言葉を踏まえると、曲の最後にある「忘れない」という思いは、過去に執着することではないと考えられます。
「あの恋があったから、今の自分がいる」
そうやって自分の過去を肯定することなのです。
『今日、好きになりました。』の主題歌だからこそ響く「スパークル」

「スパークル」は、ABEMAの『今日、好きになりました。蜜柑編』の主題歌として書き下ろされました。
番組では限られた期間の中で高校生たちが恋をするため、恋の「一瞬のきらめき」という曲のテーマとも非常に相性が良い楽曲です。
限られた時間の中で生まれる恋
『今日、好きになりました。』では、数日間という限られた時間の中で恋が動いていきます。
だからこそ、「もっと一緒にいたい」「まだ終わってほしくない」という気持ちが強くなります。
これは「スパークル」に描かれる恋とも重なります。
一緒にいられる時間が限られているから、一瞬一瞬が輝いて見える。
それはまさに「スパークル」というタイトルそのものです。
片思いを肯定する応援歌
幾田りらさんは、『今日好き』に出演する人たちの恋愛を見て、片思いは美しくてピュアなものだと改めて感じたと話しています。
また、みんなの片思いを肯定するような曲を歌いたかったという思いも明かしています。
そのため「スパークル」は、恋が実った人だけに向けた曲ではありません。
むしろ、まだ告白できていない人、好きな人を遠くから見ている人、恋が終わってしまった人にも寄り添う曲なのです。
まとめ|「スパークル」は一瞬の恋を永遠の記憶に変える歌

幾田りらさんの「スパークル」は、一瞬のきらめきのように始まり、やがて消えていくかもしれない恋を描いた楽曲です。
「好き」という気持ちを伝えられない苦しさ。
相手の気持ちが分からない不安。
いつか離れてしまうかもしれない寂しさ。
それらを抱えながらも、主人公は恋そのものを否定しません。
むしろ、苦しさも愛しさも含めて「この人を好きになれてよかった」と受け止めようとしています。
「スパークル」というタイトルが象徴するのは、永遠に輝き続ける光ではありません。
一瞬だけ強く輝き、消えていく光です。
だからこそ、その光は忘れられないものになります。
恋も同じなのかもしれません。
たとえ結ばれなかったとしても、誰かを本気で好きになった瞬間は、自分の心の中から消えることはありません。
「報われなかったから意味がない」のではなく、「本気で好きになれたから意味がある」。
「スパークル」は、そんなふうに片思いや失恋を優しく肯定してくれる楽曲なのではないでしょうか。
恋の結末だけを見るのではなく、その恋をしていた時間そのものを大切にする。
それこそが、この曲が私たちに伝えている一番大切なメッセージだと考察できます。
「スパークル」楽曲情報・歌詞の出典元
曲名: スパークル
歌: 幾田りら
作詞・作曲: 幾田りら
編曲: 中野領太
リリース日: 2022年1月17日
タイアップ: ABEMA『今日、好きになりました。蜜柑編』主題歌/『今日、好きになりました。卒業編2022』主題歌
楽曲の公式情報は、幾田りらさんのオフィシャルサイトで確認できます。
歌詞の出典元:
幾田りら「スパークル」公式ディスコグラフィー
※本記事では、歌詞の全文掲載は避け、楽曲の公式情報と歌詞から読み取れる内容をもとに考察しています。

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